参考資料
●変圧器の種類
 

①単相・三相複捲変圧器

一次捲線と二次捲線が電気的に分離し絶縁されています。静電シールド付トランスは一次捲線と二次捲線との間に薄い銅板が巻いてあります。静電結合により二次側に発生する移行電圧は低減化されます。

単相複捲変圧器 三相複巻変圧器
②単相・三相単捲変圧器

一次捲線と二次捲線がつながっています。複捲と同一容量でも小型軽量になり安価となります(一部例外もあります)。一次、二次の電圧比が1に近づくほど容量は小さくなります。

単相単捲変圧器 三相単捲変圧器
③スコット変圧器

二次側負荷を同容量2回路に分けた場合のみ三相電源の平衡が得られます。しかし、二次側負荷が同容量でなくても三相入力が不平衡になるだけで特に支障はありません。ただし、2回路間の位相差が90°であるために、単相三線結線(直列または並列)はできません。

スコット変圧器

④逆V変圧器

二次側負荷を2回路に分けられない場合に使用します。ただし三相入力が不平衡になります。

逆V変圧器

⑤その他

モールド型高圧トランス、高周波トランス、リーケージトランス、ノイズカットトランス、カットコアートランス、スイッチングトランス、AC/DCリアクトル、可飽和リアクトル、チョークコイル等があります。

三相結線図
●設置環境
周囲温度が-5℃~40℃、湿度が45%~85%の範囲。
●容量の計算
単相:二次電圧(V)×二次負荷電流(A)=容量(VA)
三相:√3×二次電圧(V)×二次負荷電流(A)=容量(VA)
(注意)弊社製品の場合
 ○複数タップがある場合は電圧の一番高いタップで容量計算をしています。
 ○低いタップは低減容量タップになります。
●絶縁の種別

各種絶縁の許容最高温度

絶縁種別
許容最高温度(℃) 105 120 130 155 180 180以上
●保護回路
電源事故の原因はいろいろ考えられますが、トランスの事故が発生した場合、漏電、火災、感電などの危険が伴うおそれがあり、保護対策を講じる必要があります。
保護対策の方法としては一次側に保護回路を設けることが一般的です。しかし、電源トランスの場合には電源投入時に定格電流の数倍から20倍程度の突入励磁電流が瞬間的に流れることを考慮する必要があります。電源トランスの保護回路としては、タイムラグ溶断型電流ヒューズ、イナーシャルディレーサーキットプロテクタなどがありますので、それらのメーカーカタログを参考に選定してください。
また、ヒューズ、サーキットプロテクタの定格電流値は、電源トランスの定格電流の1.2倍~1.5倍程度を使うのが一般的です。なお、二次側に使用する場合は普通溶断型を使用することもできます。